判子総見

使い途が見えない消しゴムハンコの数々

おまけ記事:まったく参考にならない「判子彫ろうぜ!」

半年に3回くらいという高頻度(当社比)で「あの判子はどうやって作ってるの?」とご質問をいただくことがあります。
そこで!普段どのような過程を経て主にタッツケの彼らの判子を作っているのかまとめてみました。自分の作業を客観視することにより、ウワーこの人って気色悪いわぁという自己評価が高くなったことを先に申し上げておきましょう。

1)「ネタ」選定
場所中や巡業などで撮影した画像の中からコーレーダー!というのを選びぬきます。(他の方から提供いただいた画像や他所様のコレッ!て画像の場合にはブログにアップする際になんとなく出典を書いておきます。)

[ちょっとこの人気持ち悪いな度合い:★★★★☆]

2)下描き
選んだ画像(実際はPCのモニタ)をじーーーっと見つめたあと、下描きをはじめます。
そのへんにある紙に2Bもしくは4Bの鉛筆でザザザっとやってみます。

▼開始15分くらい

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描いてみたところで、毎度毎度「だめだこりゃだめだ、せめて学生んときに美術部とか入っておけばよかった」と自分にうんざりして不貞寝もしくはYoutube巡回とかやっちまって、この日の作業は終わりです(早ッ)。

翌日以降「やればできる子」を合い言葉に続きの作業。

▼だいたいこんな感じです。できたことにします。
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[ちょっとこの人気持ち悪いな度合い:★★★★★]

3)トレペに描き写す
下描きの上にトレーシングペーパー(何故か学生時代に購入したものが残っているので十数年前の自分に感謝し、そいつを使用)をかけて、上から絵をなぞります。下描きを曖昧に誤魔化しておくと、まずここで失敗です。

▼なぞってるの図。右上のミーは紙がずれないように貼ってあるテープです。

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[ちょっとこの人モノモチいいな度合い:★★☆☆☆]

4)トレペのをゴム板に転写
下描きをなぞったトレーシングペーパーを、実際に彫る消しゴム判子の面にあわせ、昔あったそういうシールのように擦って擦ってゴムゴム板に絵の線をなすりつけます。
それなりに力をいれて擦るので、手がすべってズレることもままあります。

▼切れ端みたいですって?ええそうですよ。このスペースのやりくりですよ。

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[ちょっとこの人貧乏臭いな度合い:★☆]

5)いよいよ彫ります!
あまりにも余分な部分のゴムゴムを切り離し、彫る作業を開始します。
何回もの失敗を経て、彫ってはいけないところを塗りつぶしておくという小学生低学年程度の知恵がつきました。
使う道具は幅の細い彫刻刀とデザインカッターです。時折オノレの手も彫ります。

▼彫り始めて間もない頃。
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すぐに集中力をなくして、おやつ食べたりビール飲んだりしちゃうので彫る作業は2〜3日かけてだらだら続けます。

▼わかりにくい画像ですいませんが、だいぶ彫り進んだ頃。
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[ちょっとこの人気持ち悪いな度合い:★★★]
↑ヒトサマにお見せできない感じで彫ってますよ....

6)押印!!そして完成!!!
なんとなく彫れてきたかな〜ってとこで、ゴムゴム板についたこまかい削りカスをとって、押してみます。下描きどおりに作業をすすめているはずなのに、アレ?こんなんでしたっけ?ていうものが押せます(実力)。

▼押してみて気になるところに書き込んで見るの図
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判子にしてみたらいらないんじゃないかなという線や太すぎるんじゃないかなって線を削っては押し、削っては押しで「まあ〜〜こんなとこで勘弁勘弁」と作業におなかいっぱいになったら完成です!

[ちょっとこの人作業に飽きてきてないか度合い:★★★☆☆]

あとは何回か押してみてうまく押せたもの(下手なんスよ押すの)を2008年製のスキャナでとりこみ画像のリサイズやらなんやらしてワールドワイドウェッブに公開です。
こちらの判子はこの記事のひとつ新しい「呼出しシリーズ63」になります。

いかがでしたでしょうか。お楽しみいただけたでしょうか。一人机にむかってこんなことをしていてどうなんでしょうか。自分で自分が心配です。

 

 

夏の出来心「行司さんをな...」

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そろそろ試しにやってみようかなと思いました....行司さん。
出来心ってやつです。
身につけてるアイテムのなにもかも難しく...また挑戦させてくださいとしか申し上げることが...。しかも秋場所前最後の彫りが呼出しさんでなくて行司さん。
....あるよね、そういうこと。あるよね...。
(9/8作成)

呼出しシリーズ62「両国にぎわい祭り(2015)」

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まあ5月のイベントなんですけどね「にぎわい祭り」。
9月に彫ってもいいじゃないってことでやってみました。
今年はT部屋の呼出しさん連弾という大変うっっっれしいサプライズ
(別の部屋の若い子もやってみよか的な感じで披露してました)。
すばらしかったス。いま反芻してます。
(9/3作成)

なお、2014年の模様はこちら↓自分で言うのも難ですが技術の向上がみられます。
呼出しシリーズ3「両国にぎわい祭り」 - 判子総見



呼出しシリーズ61「審判のおざぶ一式」

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一日の終わりに審判の親方衆が座ってた座布団を集めて包んで括ってる若者たち。
そしてあの布、大変古風な唐草模様です。そして唐草模様を彫ろうと思った私が馬鹿でした。
「豊商事」をやった時「文字は厳しい」と思った、あの反省に加えます。「模様もまたNG」。

(8/23作成)

呼出しシリーズ60「こはぜの時間(左)」

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足袋の足首んとこの金具です。こはぜです。こはぜを止めておられます。
タイトルに(左)ていれてみました。
なんとなく(右)がくるような気がします。
...やりますよ..右...。

(8/18作成)

呼出しシリーズ59「これから千秋楽パーティ、ちょっとその前に」

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シリーズ箒、そしてシリーズ千秋楽です。
全ての式次第が終わり、鎮め物を取り出したころ一度着替えてから土俵メンテをしにやってきた呼出しさん...。ネクタイ姿に草履がイイっスよね...。あれって普通の靴下を鼻緒んとこにエイヤってつっこんで履いてるのか、それとも指が割れてるタイプの靴下なのか...地味に気になります。

(8/7作成)

呼出しシリーズ番外編「夏の自由課題」

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夏場所名古屋場所の間に、通常のハンコほりほり作業を止めて作ってみました。
一度作ってみたかったのです。手拭いを。
もっと年相応に懐具合が潤っていたら図案を業者さんに渡してビシっとしたものを作り日頃お世話になっている関係各位にお配りしようってなもんですが、そこは小銭しか持ち合わせてないワタクシ。布用のインクでバッスンバッスン押しております。

図案はお察しのとおり「呼出しさんの懸賞タイム」です。
上段が一周目、下段が二周目。今回押す相手が晒&日用品なので、通常のハンコシリーズよりも大きく、線も太く、なんとなくどなたをモデルにしてるのかわからなくしてあります...説明するのも気恥ずかしい話です。

以下、各ハンコのアップでございますよ。

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▲上段
▼下段

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以上、こんな感じです。

いろいろあった名古屋場所、趣味のハンコではじめたこのシリーズにとっても忘れられない出来事が....ハイ。....今後とも精進いたします。

呼出しシリーズ58「土俵整備&ホーキ」(またも)

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五月場所を経て、ニッカンスポーツの総選挙結果が発表され、ブログの更新をせねばならないそんな気分です...。
こちらのホーキ呼出しさんは全身をうまーーく使って土俵上をズサーとやっていて、いやあまだ(ホントに)若いのになんて頼もしい..。

(6/2作成)

呼出しシリーズ57「鼻血待った!その時、呼出しさんが動いた」

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鼻血待ったが行司さんの手によりかけられたその直後、
そういう展開になるであろうと、土俵下で紙をモミモミし、なんなら鼻にツッコミやすいように紙縒りをよって準備万端になった状態の紙を土俵に持参するグッジョブ呼出しさんの図であります。
彫ってる途中で手元が狂い「なんか稽古まわしになっちまったよ」になった件はやさしく無視していただければ幸いです。
以上をもちまして五月場所前の判子はおしまいです。また場所あけに〜〜!

(5/9作成)

呼出しシリーズ56「懸賞金を補充する呼出しさん」

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西の水付け呼出しさんのもとに歩み寄り、ススっと懸賞金を補充していく呼出しさんの図。意外と番付が上のほうの呼出しさんがやってるんだと、少し驚きました。
まあ間違えられいし、ややこしそうだし、現金だし...。

(5/4作成)